サファリとは動物を見て、肌で自然を感じて楽しむツアーのことをいう。
国によってスタイルは異なるが、ここでは、自然保護区や国立公園内をオープンタイプのジープに乗って進む一種のレジャーのことを指すと解釈してほしい。
そして私の行っているランタンボールや、世界中のツーリストが訪れるアフリカのサバンナなどの保護区では、大きく解釈すれば、動物たちが、人間という生き物が自分たちに危害を加えてこないと既に認識している状況が成立している。(もちろん密猟者など悪しき者の存在の話は別であるし、既に人間に襲われたことのある動物はこれに含まれない。)
なぜなら、長年に亘りサファリ産業が営まれている場所では、動物の親が人間に対して警戒しない姿を子が側で見て育っているからだ。だからその認識が代々引き継がれていくのだ。
そしてオープンジープは屋根が有ったり無かったりするものなど様々だが、基本的にはジープに乗っている限りは動物に襲われる心配は限りなく少ない。(いうまでもなく、自ら危害を加えたり、ルールを破れば途端に状況は一変する。)
なぜならば、大型の肉食獣などは、車と車の上にいる人間を別々の物として認識などしていないのだ。むしろ一体の物として認識しているので、自分よりも大きい相手に好き好んで無駄に攻撃をすることなどしたりしないのが基本にある。
つまりサファリは、ルールさえきちんと守れば、安全で楽しいレジャーなのだ。安全だからこそ、世界の保護区や国立公園において一大産業となっている歴史があるのだ。
これだけ聞いてみても、“サファリ”というもののイメージのハードルが下がったのではないだろうか?
特に日本では馴染みがなく、何かスパルタなイメージが先行するのかもしれないが、決してそんなものばかりでないということを分かって欲しい。
簡易的なものからスパルタなものまで、自分のスタイルに合わせて幅広く選ぶことの出来る楽しいものなのだ。また、一日のサファリが終われば、それこそ美味しい食事と酒を宿で取ることも出来る。そのグレードは自分の予算に合わせてチョイスすればいいし、自然がすぐそばにある中で寝起きできること自体、大抵の人間にとっては新鮮で気持ち良い事に感じるはずだ。
屈強な男が、重装備で、テントを張って、1ヶ月間篭って、ろくな食事もせず、ずっとカメラを睨んでいるのがサファリではない。もちろんそういったスタイルを好む人もいるし、私もそういったスタイルも好きだが、ここではあくまで多くの人に楽しんでもらえるスタイルを紹介する事に意味があると思っている。なぜならば、私は常々言っているが、現地に観光客が訪れ、現地にお金が落ち、現地の人間が潤うことこそが、現代においてワイルドライフを保つための最も有効的な手段であることを世界の各地を旅して感じた経験があるからだ。
私にとってサファリは、最も自然の魅力を感じることのできる、考えらえるかぎりこの世で最も楽しいレジャーだ。(中でもタイガーサファリは!)
コロナが終わったらまた多くの人に体験してほしい。もっと世界観が変わるはずだ。