・虎を探す手がかり
そんな「安全性」と「病みつきになるほどの楽しさ」があるサファリですが、実は木の生い茂ったジャングルの中で虎を見つけるのは、思っている以上に難しいです。
我々は大きく2つのヒントをもとに、虎を探しています。
1つ目は、フットプリントと言われる虎の足跡。朝、ジャングル内に入るとジープの通り道にフットプリントを見つけることが出来ます。虎も低木等のない道の方が歩きやすいので、人がいない夜間などは積極的にジープの通り道を利用します。熟練のガイドであれば、その足跡を見て、どのくらい前に、どの方向に、オスが、メスが、何頭で、何を目的に移動したのか?かなり高い確率で推測することが出来るのです。だから、どのジープよりも朝早くジャングルに入り、フットプリントを見つけるがとても重要になります。
そして2つ目は、アラームコールと言われる虎以外の動物たちの警戒音。ジャングルの王者である虎は全ての動物を捕食しますので、他の野生の動物からすると恐れられ、警戒すべき存在です。よって虎が移動をし出すと、まず虎の存在に気付く孔雀などの空の鳥、木の上の猿、そして地上にいる鹿などが鳴き声を上げて警戒を始めるのです。
まさにジャングル全体が繋がっていることを感じさせる瞬間ですが、そうやって2つの手がかりをもとに虎を探しています。
・虎に名前を付けることの意味と意義
ところで、ランタンボールでは個体管理の為に虎に番号と名前をつけるのですが、名前があることによって公園を管理する人間や、ガイド、ドライバー、更には現地に訪れる観光客と虎との距離感が縮まり、人間が虎に対して愛着と親しみを持つような効果も生んでいます。最近では他の国立公園でも名前を付け始めているようですが、個人的にはとても良いシステムだと感じています。
・虎のアイデンティティ
虎は、人間の指紋のように、一頭ずつストライプの模様が異なります。だから名前を付ける時はそのストライプの模様にちなんで名づけたりします。例えば、こちらの大きな写真の虎の管理番号はT-84、名前は額にあるシンメトリーの「M」の文字と左目上の矢のような模様から、アローヘッドと名付けられました。ちなみに、T-84 と言う番号は生まれた順に付けられている番号です。
▶ 4.虎の強さの象徴である狩り