2023年の6月1日〜2024年の5月末までの1年間で150日間にわたる取材を重ねた。
気づけば朝晩のトータルサファリ数は年間300回に及んでいた。
約5ヶ月間に亘る集中した取材を行った理由、それはランタンボールの女王Riddhiが2023年の5月末に3頭のcubsを出産したからだ。私は生後3週間というまだまともに目も開かない子猫のような子たちを撮影するという、非常に稀な機会に恵まれた。
しかしその後、3頭の子の成長を追う撮影はこれまでの経験の中でも比較にならないほどに困難を極めた。
年間を通して多くの失敗もあったが、その分と言えばいいのか、納得できる成功もあったと思う。
成長する子たちと共に、母親としても成長していったRiddhiの姿、私が記録したそんな彼女たちの物語を、今は纏め上げている最中だ。
来年2025年4月から代官山ヒルサイドフォーラムにて1ヶ月間に亘り開催される予定の次回写真展で、多くの方たちに届けられたらと思う。
私がジャングルで見てきたもの、感じてきたものを追体験してもらえるような、そんな写真展にしたいと思っている。
またその時は、これまでの活動の一まとめとして、私にとって初めての写真集も出版される予定だ。
現在、出版社さんに協力いただきながら進めている。もちろん前回写真展からのチームも一緒だ。
楽しみと不安と緊張と葛藤を抱えながら、暫くもがいていきたい。
昨日9月9日、Riddhiの妹のSiddhiがジャングル内のトラップカメラにキャプチャーされ、なんとそこには一緒に3頭の幼いcubsも写っていた。
写っていたサイズから推測するに、おそらく半年未満の子供だろう。Riddhiの子供が現在1歳5ヶ月。およそ1年遅れで妹にも姉と同じ3頭のcubsが生まれたということになる。私が2019年にこの姉妹を撮影した時、彼女たちはまだ生後3ヶ月頃だった。そんな時から知る2頭が母親になったのだ。
絶滅危惧種の虎たち、その歴史が繋がっていく場面を目撃できることに、心から感謝したい。