2.撮影場所であるインドのランタンボール国立公園について - KOKI YAMADA PHOTOGRAPY

2.撮影場所であるインドのランタンボール国立公園について





・ランタンボール国立公園の地理・気候
撮影場所であるランタンボール国立公園は、インドの首都デリーの南400キロあたりに位置しており、デリーから電車で5時間かかる場所にあります。

国立公園の大きさは東京23区の2倍以上ある1400キロ平方メートルほどです。その中に虎は70頭ほどしか存在していません。1981年に国立公園となったのですが、それ以前はこの地を支配していた王族の狩猟場となっていました。だから、大自然の中に王族時代の遺跡が点在しています。

また気候は乾季と雨季に別れており、乾季がおよそ10月から5月、雨季が6月から9月くらい。雨季の3カ月間の間に降る雨は、その後9カ月もの間、完全には干上がることが無いほど猛烈です。これがジャングルの豊富な生態系を保つ要因になってはいるのですが、あまりに激しい雨が降るので、雨季の時期は公園内に人は入れません。よって撮影は乾季の時期に行っています。

なお、気温は時期によって異なりますが、朝は5度~10度、日中は30度以上にもなり、ピーク時には40度まで気温が上がるような、極めて寒暖差が激しい過酷な環境です。

・成長著しい観光業(ツーリズム)
では、そんな過酷な環境でどんな産業が営まれているのかと言うと、近年存在感を放っているのが、まさに野生の動物や自然を楽しむツーリズムです。

虎をはじめとした野生動物を観光資源として位置づけ、サファリを行う上での様々なルールづくり、環境整備などを進めてきました。その結果、現地にお金が落ち、そのお金が現地民の収入になり、更にはランタンボール国立公園の整備や管理に繋がっていると言う良いサイクルが生まれています。近年、世界中の人が訪れ、観光客は増える一方で、この2年だけでもホテルが30も増えました。

・安全で、エキサイティングなレジャーとしてのサファリ
サファリと言うと非常にスパルタで危険なイメージがありますが、決められたルールを守っていれば、とても安全でエキサイティングなレジャーだと感じています。

実際にはこのようなオープンジープに乗ってジャングル内を回るのですが、人間が自分より大きな相手、強そうな相手にはケンカを売ることがないように、虎も自分よりも大きいジープとそれに乗った人間を襲うことはありません。虎はジープと人間を一体としか見ることが出来ないので、車から降りない限りは、襲われるリスクは限り無く少ないです。事実、ランタンボールではこれまでにそういった事故は一切ありません。





更に、ジャングル内ではサファリ事業が長らく行われているので、そこに生息する虎や他の野生の動物が、人間に比較的慣れていると言う点もランタンボールにおけるサファリの安全性が確立している理由の1つです。子供の頃からジープと人間を見慣れており、親が人間を敵としてみなして攻撃をするようなことはしないので、子供の間も、また成長して大人になってからも人間を敵とみなして攻撃することはありません。

そのような安全性が確保されている環境下で野生の虎をまじかに見ることの出来るエリアと言うのは、世界的にみても大変貴重です。

大自然の中を風を感じながら走り抜ける爽快感は他には代えがたい心地良さがありますし、長時間のサファリを行う際にはランチボックスなどを持ち込んで、まさにキャンプ感覚で自然と野生の動物とを堪能できます。こんな楽しみを僕は他には知りません。1度体験してしまうと、病みつきになってしまうほどの楽しさがあります。

▶ 3.ランタンボール国立公園の虎

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